2026年について
- いしざき緑子
- 11月6日
- 読了時間: 7分
更新日:11月26日
2020年末に起こった木星土星会合のタイミングで世界中を襲ったパンデミック。昨年の水瓶座冥王星入り、今年の海王星牡羊座、天王星双子座の準備段階を経て、2026年はいよいよ本格的に時代を縁取る全てのトランスサタニアンが移動完了し新たなフェーズへ。もう、過去に戻ることはありません。
「賽は投げられた」のです。
来年一番のポイントは2月21日に土星と海王星が牡羊座0度で合するタイミングからの3月3日に日本で迎える乙女座皆既月蝕。そして迎える春分図はプライベートゾーンに星がこぞって集まっています。
これは何を意味するのでしょうか。
牡羊座0度での合は1700年ぶり。1つ前には、絶対的ローマ帝国の秩序が揺らぎ、人々の宗教観に新しい理想のビジョンが現実世界に出現していくと同時に、理想を実現しようとする現実的な力(帝国権力、教会、国家など)によって逆に人々が抑圧されていくような混沌とした時代。
牡羊座の神話は、継母に妬まれた兄妹が飢えた国民を救う代償として生贄にされそうになり、金の羊の背に乗って空を飛び海を渡って逃げる途中で妹が海に落ちてしまう。その犠牲と代償の末に兄は逃げ切り、ゼウスは金の羊を星座にしたという話。春分点の最初のこのサインは、勇気と行動、犠牲と保護、喪失と成長、そして再生という様々な要素を含んでいます。
牡羊座と聞いて、自分には関係ないと思うでしょうか。
この牡羊座のエネルギーを受け取っていくのは牡羊座の真向かいにある天秤座冥王星世代(1971〜1984年生まれ)。「お国のために」「家のために」という強烈な時代を生き抜いた獅子座冥王星世代から時代を引き継いだ乙女座冥王星時代。彼らの齎した驚異的高度成長期で築いた虚像の富を伴う強靭な社会システムは、リーマンショック後に富を伴えない、社会を生きる肩書きを得づらい次世代に劣等感と恐れを埋め込ませ、結果、社会の中に自分を適応させることで自分自身のアイデンティティーを見失い去勢された人々を大勢生み出しました。
ここからは、この世代こそが今後の時代の鍵を握るキーマンです。この世代がどうこの「火」を使うのかにかかっています。だからこそ私は危惧します。
どうか、この火を時代への「復讐」に使わないでほしいと。
後半は木星も火の獅子座へ移動。ワールドカップ開催など、社会全体に高まる「強くある事」への陶酔感が拡大します。1つ前の12年前の獅子座木星期には安倍政権が都議選も参議院選挙も圧勝し、アベノミクスなど様々な政策を強行し、靖国参拝で近隣諸国との間に緊張が高まるなどした年。社会においても強いリーダーシップが求められていきます。
そして今年、まさに火の惑星である火星は逆行せず勢いよく山羊座から乙女座へと勢いを加速させて燃え盛っていきます。そんな獅子座木星期には、これまでもてはやされてきたインフルエンサーと呼ばれる人々の虚像が露呈し、「ぶれない逃げない芯の強い本物」が実力を発揮してスポットライトを浴び出すでしょう。どんな時にもぶれない軸をしっかり確立し、自分らしく堂々と自分の歩幅で歩める強さこそ獅子座木星期に養いたいマインドです。
さらに天王星双子座入りは84年ぶり。双子座は風サインで言葉やコミュニケーション、通信を象意しますが、ここから7年かけてテクノロジーの進歩やスピードは我々の想像を絶する進化を遂げるでしょう。一方で、前回の84年前は治安維持法が改正されて検閲や言論統制が強化され、日本最大級の言論弾圧事件である「横浜事件」では共産主義者が60名以上逮捕され、4人が獄死。脅かすようなことばかりになりますが、今年は5惑星が直列する珍しいタイミングが3回もあります。大きな変化の合図です。
アメリカやロシアは勿論、ヨーロッパ各地でもドイツやクロアチアが徴兵令を再開するなど軍拡の緊張は世界中で高まりつつあります。風の言葉や情報はあっという間に広がります。双子座のルーラーである水星はマーキュリー。今年は全て水サインでの水星逆行。感情を煽るようなフェイクニュースやプロパガンダが次々に敷かれ、その度に仮想敵に対する火という怒りが燃えるような仕組みが炙り出されていきます。私たちは冷静にファクトや物事の本質を見つめ、S N Sなど安易な情報を鵜呑みにせず「成熟するためのアップデート」をしないと流され、煽られ、簡単に足元を掬われていくでしょう。
煽られる事象は常に注目されるように仕組まれ、自尊心を甘く擽り、期待させる事でその裏にある人々を縛る裏切りの罠に導きます。かつてTVや新聞がそうであったように。過去の歴史は、その連続です。決して、恐怖や不安を基準に決断してはいけません。そこに確かな希望や愛を見出せるかどうか。蟹座木星期の間にそれを胸に刻んでおく必要があります。
昨年冥王星は水瓶座に移動を完全に完了しているので、前述したように移民問題で民族意識を煽りそこに自分の生きてきた時代の復讐心を安易に向けてはいけません。その復讐心こそ、火を煽りたい者たちの仕掛ける罠なのです。
2026年はどんどん「地」の元素がない時間が社会に流れていきます。リアルな実体験や実体を伴わないバーチャルな時間が加速します。4月26日までの天王星牡牛座の時間は貴重です。それまでにこれまで7年かけて地の象意する何がアップデートされたのかを思い返さないと、それがこれからの時代を生きる重石となって余計な葛藤を生じてしまいます。牡牛座的肩書きや資産価値、お金、持ち物に執着し過信せず今のうちに自分にとっての「本物のゆたかさや安心」を見つめ直しましょう。頭では分かっているのに、執着してしまう。執着を手放すのは容易ではありません。双子座天王星は逆に執着しているものを盾に、いかに自分が本来向き合わなければならない人生の本質から目を背けて逃げてきたのかを突き付けます。社会の基本は他者との丁寧な「対話」から生じていく。牡牛座的執着を盾に生きている人ほど、他者との対話を避け、対話を攻撃だと見做しすぐに怒ります。
小さな枝木を積み重ねていってやがて大きな炎へと焚き火を育てるように、頑なな火は災いです。プロセスに柔らかな優しい眼差しを向けてほしいと思います。双子座は柔軟宮です。
夏至の頃から9月中旬まで傷や癒しの星キロンが牡羊座から牡牛座へ移動します(本格入宮は2027年春)。牡羊座的「私はここにいる」という自己PRや存在証明のような大量のインフルエンサーによる発信が日々溢れています。それらの情報を消費することから、牡牛座に入ると現実的に本当に価値あるものへの回帰へと意識が向けられるのではないでしょうか。お金がなくても、フォロワーがいなくても、大地と繋がる生き方、食料の大切さという本質的な豊かさが問われます。経済危機や食料危機は2026年から翌年にかけていよいよ深刻さを増していくでしょう。
6月30日の山羊座満月も1つのポイントです。その日木星は蟹座から獅子座へ、そして水星が蟹座で逆行開始。2026年の大きな分岐点となることが予測されます。
また、7月にはノードが魚座ー乙女座から獅子座ー水瓶座へと移動するのも象徴的。乙女座は労働環境や社会のあらゆる役割に縛られることへの限界と魚座的スピリチュアル、陰謀論的カオスな情報の混乱と浄化がフォーカスされていました。それが獅子座的エゴ、ヒエラルギー、カリスマ的ヒーローと水瓶座的デジタルシステムやインフラの構築により新しい社会モデルのようなものが火と風に乗って世の中を呑み込んでいくようなイメージが浮かび上がってきます。呑み込まれないように、流されないように、大地にしっかり踏みとどまって心身ともに自立して生き抜いていけるよう、静かに準備を始めていきましょう。
今年2025年は昭和100年、戦後80年の節目の年でした。
私は今年の魔女のフェスタの開催にあたり、様々な世代の方にインタビューする機会を得ました(詳しくは魔女のフェスタのInstagramをご覧ください)。
その中で詩人の硯杏子先生がおっしゃっていた印象的な言葉を改めて思い返します。
「ありがとうって言われたくて、誰かにありがとうって言われるために人は生きているのよ」。この言葉を胸に留めながら、感謝と共に2026年へと歩んでいこうと思います。
2025年 11月 いしざき緑子